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2021 06. 17

凸版印刷ではフルカラーと特色で向いているデザインが違います

凸版印刷ではフルカラーと特色で向いているデザインが違います

皆さんはデザインデータを作成する時に色の設定を、フルカラー(CMYK)で作成されることが多いのではないでしょうか?
山田美術印刷では凸版印刷方式を用いたラベル・シール印刷を主軸に営業しており、フルカラー(CMYK)印刷はもちろん、特色での印刷にも対応しております。
フルカラー印刷と特色印刷ではそれぞれに特徴があり、向いているデザイン、向いていないデザインがあります。
今回は、凸版印刷ではフルカラー印刷と特色印刷、どちらが刷り上がりの良いラベルができるのかデザイナー目線で記事にしました。

【目次】
1.フルカラー(CMYK)印刷とは
・凸版印刷でフルカラーに向いているラベル
・フルカラー印刷に向いているデザイン例
2.特色印刷とは
・凸版印刷で特色に向いているラベル
・特色印刷に向いているデザイン例
3.同じようなデザインでも色指定の違いで印刷方法が変わる
4.今回のまとめ

フルカラー(CMYK)印刷とは

フルカラー印刷は、プロセスカラーと言われる「C:シアン」「M:マゼンタ」「Y:イエロー」「K:ブラック」の、4種類のインキを使用し、それぞれの版を重ね合わせて色を表現する一般的な印刷方法です。
CMYKの4色を掛け合わせて、1つの印刷物に対して様々な色を施すことができます。例えば「緑色」を印刷する時は「C:シアン」と「Y:イエロー」の版の掛け合わせ、「赤色」を印刷する時は「M:マゼンタ」「Y:イエロー」の版の掛け合わせで色を表現します。

凸版印刷でフルカラーに向いているラベル

  • いくつもの色が使用されている
  • デザインに写真が含まれている
  • 予算を抑えたい(※内容による)

CMYKの色の重なりを使ったカラフルなグラデーションや、写真や立体的に見せたいイラストをデザインとして使用している場合も複数の色を必要とする場合が多く、フルカラー印刷の方が向いています。

フルカラー印刷に向いているデザイン例

例えばこのデザインは、背景には「水色(C:シアン)」から「黄色(Y:イエロー)」に移り変わるグラデーション、文字には「M:マゼンタ」「Y:イエロー」をかけ合わせた「オレンジ色」から「黄色」に移り変わるグラデーションと、文字が浮き出て見えるように「K:ブラック」でぼかしを入れた陰影をつけています。そして、手とスマートフォンは写真を使用しています。
“カラフルなグラデーション”、“ぼかした陰影”、“写真の使用”、以上3つのポイントにより、フルカラー印刷が向いていると言えます。

特色印刷とは

実は「C:シアン」「M:マゼンタ」「Y:イエロー」「K:ブラック」で色を作成するには限界があります。特色印刷は、フルカラーでは作ることが難しい色を表現したい時に用いられる印刷方法です。
お客様にDICやPANTONEⓇなどのカラーガイドからご指示を頂き、ご希望の色の色見本(カラーチップ)を元にインキを事前に調合し、1つの色を作ります。 印刷物のデザインに使用されている色数分、調合したインクと版が必要です。

凸版印刷で特色に向いているラベル

  • 単色(1〜3色)でデザインをはっきりと表現したい
  • ブランドや企業のロゴの指定色が明確である
  • パール、金や銀のメタリックカラー、蛍光色、パステルカラーなどが使用されている
  • オレンジ色、黄緑色、薄い赤色、薄い青色などをキレイに表現したいデザイン
  • 色が掛け合わされた、細い線や文字がある

パール、金や銀のメタリックカラー、蛍光色、パステルカラーはフルカラーでは表現ができません。また、フルカラーでオレンジ色、黄緑色、薄い赤色、薄い青色などを印刷した場合、想像よりもくすんで見えます。さらに、色のついた版を重ねて印刷するため、細い線や文字は多少ぼやけた印象になってしまうことがあります。
しかし、特色指定をすれば、色見本(カラーチップ)通りの色を作成した上で印刷工程に進むので希望通りの色に仕上がります。

特色印刷に向いているデザイン例


例えばこのデザインは、“ターコイズグリーン”、“黒”、“金メタリック”の3色で印刷する想定で作成しました。
ターコイズグリーンは、フルカラー印刷の場合「C:シアン」と「Y:イエロー」を重ねて印刷するため、刷り上がった印刷物はCとYのインキが網点で重なり、ターコイズグリーンのような色に見えるという仕組みになります。
しかし、特色印刷の場合はターコイズグリーンのためだけのインキを作成し印刷にかけるので、ターコイズグリーンの色濃度が100%の部分には網点ができず、デザインのラインがはっきりした仕上がりになります。背景の放射状になっている線や星は、一見別の色に見えますが、同じターコイズグリーンの色濃度を下げたもので、この部分には網点ができます。
このように同じ色でも色濃度を変化させ濃淡をつけることで、少ない色数でもメリハリのあるデザインの印刷物を制作することができます。
また、金メタリックはインキ自体に光沢があり、フルカラーでは表現できない特殊な色なので特色印刷となります。
“使用する色が明確”、“金メタリックのインキ”、“使用色が3色” 以上3つのポイントにより、特色印刷が向いていると言えます。

同じようなデザインでも色指定の違いで印刷方法が変わる

次に同じように見えるデザインでも、配色の違いにより印刷方法が変わる例をご紹介します。
ここまで書いてきましたので、皆さんはもうおわかりだと思いますが、この2つのデザイン、どちらがフルカラー印刷で、どちらが特色印刷に向いているでしょうか?


 

答えは…

①フルカラー印刷に向いている
②特色印刷に向いている
です。

①は複数の色を使用しているのでフルカラー印刷。
②は色数が3色でそのうち1色はメタリックカラーを使用している。CMYKの掛け合わせでは表現しにくい色で細い線があるので特色印刷。

このようにデザインのテイストやパーツの配置は同じでも、色数やインキの種類によって印刷方法やコストが変わります。

今回のまとめ

凸版印刷における「フルカラー印刷」、「特色印刷」に向いているデザイン、向いていないデザインを記載しましたが、一概に「このデザインはこの印刷方法が絶対に正しい」ということはなく、デザインの内容やお客様のご希望をお聞きした上でどの印刷方法が合っているかお客様とともに選ばせて頂きます。
また、印刷機に2回通す事で、フルカラーと特色、どちらも使用したラベル・シールを印刷することも可能です。例えば1つのラベルデザインの中の、企業ロゴの部分は「特色」に、写真の部分は「フルカラー」に、と使い分けることができます。
今回は凸版印刷のご紹介として、「フルカラー印刷」と「特色印刷」の違いをご説明させて頂きましたが、山田美術印刷では「オフセット印刷」という印刷方式も可能で、凸版印刷では表現しにくいデザインも対応することができます。
ぜひお客様のご希望を一度お聞かせ下さい。山田美術印刷のスタッフが、ご希望の条件に合わせサポートさせて頂きます。

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