昨年の11月、工場に新戦力が加わりました。
それはインキディスペンサーとスピンミキサーというインキを自動で調合する機械です。従来からあるCCM(Computer Color Matching System)と合わせて活用し、印刷色の品質保持とインキ調合時間の短縮を図ることが導入の目的でした。CCMの分光計を特色インキで作りたい物に「ピッ」とすれば、ほぼどんなものでもインキの配合が分かり、その配合をインキディスペンサーで必要な量を自動抽出し、抽出されたインキをスピンミキサーで練り混ぜ合わせる作業までをスピーディーに行うことができます。そんなオペレーターにとって夢のような機械ですが、導入に対して最初はあまり必要性を感じていませんでした。新しい物に対しての反発や抵抗があったのかもしれません。「ハカリを使って自分で作った方が早いんじゃないか」、「抽出量の精度は大丈夫なのか」等の思いがあったのですが、慣れない作業に手間取りつつ使っていくにつれ考えは一変。精度は自分で作るより良いと感じますし、何より必要なインキ量を入力すれば自動で配合を計算し抽出してくれる為、計算間違いやインキの入れ間違い等の人為的なミスが起こりません。こうしたことで無駄なインキを作ることがなくなり、廃棄するインキを削減することもできます。弊社はグリーンプリンティングを取得しており、グリーンプリンティングの観点からも非常に有効活用できると実感しています。そして何よりもリピート受注が多いラベル印刷では、いつも同じ印刷色を調合できることは、導入の目的であった印刷色の品質保持と向上に繋がっています。
入社して20数年が経ちますが、工場の設備、環境も時代と共に進化してきました。オペレーターとしての技量の向上はもちろんのことですが、進化する印刷設備を導入・活用し、信頼いただける印刷品質をこれからも引き続きご提供していきたいと思います。